プロにきく活用術

iDeCoでは運用期間を長く取れる人は株式を中心に運用

iDeCoの特徴は

  • 原則、60歳まで受け取れない → 多くの人は長期運用になる
  • 運用益が非課税である → 効率的に運用できる

ということです。ここを理解できると、iDeCoの活用法についても整理できるのではないでしょうか。

iDeCoでは長期で効率的な運用ができるので、金融資産全体で考えると、なるべく期待リターンの高い商品で運用するのが合理的です。とくに60歳まで運用期間が長くとれる人は株式に投資する投信を中心に運用したほうが、長期的には定期預金だけで運用するより大きくお金が育つ可能性が高くなります。課税の繰り延べ効果がより効いてくるからです。
iDeCoで運用するお金以外にまとまった預金があるなら、iDeCo口座内で商品の組み合わせに頭を悩ませるよりも、毎月の掛金の全額を株式に投資する投資信託に振り向けてもよいのではないでしょうか。

世界の株にまとめて投資するにはいくつの方法があります。1本で日本を含む世界の株に投資する投資信託を積み立てる、日本株に投資する投資信託や先進国株に投資する投資信託を組み合わせるという具合いです。ただし、すでに日本株(個別株や日本に投資する投資信託)を保有している場合には、先進国株に投資する投資信託だけを積み立てていくという選択肢もあります。iDeCoだけでなく、保有する金融全体で考えましょう。
もっとも、株式に投資する投資信託は長期的に価値が向上していくとしても、短期的には価格は大きく変動することもあります。例えば、企業型確定拠出年金で運用してきた人が50代で独立したりして、iDeCoに資産を移換するようなケースもあります(*)。「運用期間がそれほど長くない(引き出す時期が比較的近い)」「値動きをもう少しマイルドにしたい」という場合は株式だけではなく、債券などを組み合わせたバランス型の投信を持つという選択肢もあります。

*50代以降などに勤務先の退職給付制度の変更によって資金が退職一時金からDCに移り、大きなDC資産を持つようなケースも同じ

iDeCoは長期に老後資金をコツコツ作っていく制度です。長い視点で運用していくことが大事で、「相場に応じて機動的に商品を預け替えよう」などと考えるより、給付(受け取り)の時期が近づくまでは淡々と積み立てを継続することが大事です。

(本コラムは、2022年5月末時点の情報を基に執筆したものです)

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