確定拠出年金とは
メリット1掛金拠出時の税制優遇
確定拠出年金に拠出した掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
年末調整や確定申告により、納付した税金を所得と掛金に応じて還付することができます。
【例】掛金を毎月1万円(年間12万円)かけた場合
- 年収500万円の場合、所得税20%・住民税10%、年収1,000万円の場合、所得税33%・住民税10%で試算。
- 国復興特別所得税は考慮していません。
- 一年収や家族構成等に応じて軽減額は異なります。
掛金限度額
月々の掛金限度額 | 第1号被保険者 | 自営業者とその家族 | 6万8,000円 |
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自由業 | |||
学生 | |||
第2号被保険者 | 60歳未満の厚生年金保険の被保険者 | 2万3,000円 | |
現在お勤めの企業で、企業型年金に加入している方 | 1万2,000円~2万円 | ||
公務員など共済組合に加入している方 | 1万2,000円 | ||
第3号被保険者 | 厚生年金や共済組合に加入している方の被扶養配偶者の方 | 2万3,000円 |
納税額がこれだけ違ってきます!
メリット2運用時の税制優遇
投資信託等の金融商品で運用する場合、決済時に運用益に対して所得税・住民税等(20.315%)が課税されますが、確定拠出年金では運用益が非課税となります。
得られた利益をそのまま運用することになるため、より大きな複利効果が生まれます。
【例】1万円の収益が出た場合
一般の証券口座等:課税2,031円
確定拠出年金:課税0円
通常の預貯金と確定拠出年金の増加比較
メリット3受取時の税制優遇
積み立てた年金資産を受け取る際の給付金の種類や受取方法によってそれぞれことなる税制メリットが用意されています。
給付金には「老齢給付金」「障害給付金」「死亡一時金」の3種類があります。
老齢給付金
60歳以降に受給する個人年金資産を「老齢給付金」といいます。
老齢給付金は年金方式で5年以上20年以下の期間で受け取るか、または一時金として一括で受け取るかを選択できます。
また、年金と一時金を組み合わせて受け取ることも可能です。
年金方式で受け取る場合は公的年金等控除、一時金方式で受け取る場合は退職金所得控除が適用され、一定金額まで税金がかかりません。
年金方式で受け取る場合の税制メリット
老齢給付金を分割で受け取る場合、雑所得となり他の公的年金等の収入の合算額に応じて公的年金等控除の対象となります。
公的年金等の収入の合計額が65歳未満だと70万円まで、65歳以上だと120万円までは税金がかかりません。
公的年金等控除の計算方法は以下の通りです。
例えば65歳以上の人で「公的年金等の収入金額の合計額」が350万円の場合には、公的年金等に係る雑所得計算は次のようになり、算出された金額が課税対象となります。
3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円
1 国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法などの法律の規定に基づく年金
2 恩給(一時恩給を除きます。)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
3 確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金
「公的年金等の収入の合計額」とは以下の合計金額となります。
一時金方式で受け取る場合の税制メリット
老齢給付金を一括で受け取る場合は退職所得となり、退職所得控除が受けられます。確定拠出年金の積立期間(勤続年数)によって控除額が算出されます。
退職所得控除の計算方法は以下の通りです。
例えば確定拠出年金の積立期間が25年であった場合には、退職所得控除額は次のようになります。
800万円 + 70万円 × (25年 - 20年)=1,150万円
障害給付金
加入者または加入されていた方が、70歳になる前に政令で定める高度障害となった場合、加入年数に関係なく障害給付金の支給請求対象となります。
受取方法は年金方式で5年以上20年以下の期間で受け取るか、または一時金として一括で受け取るかを選択できるほか、年金と一時金を組み合わせて受け取ることも可能です。
障害給付金の場合、受け取り方法(分割または一括に)よらず非課税となります。
死亡一時金
加入者がまたは加入されていた方が亡くなった場合、ご遺族に対して「死亡一時金」が支給されます。
死亡一時金はみなし相続財産として、相続税の課税対象となります。
なお、一時所得の以下の計算式で算出されます。
一時所得の金額 = {脱退一時金の額-特別控除額(50万円)}
脱退一時金は、一時所得として所得税等の課税対象となります。